『ニコニコおじさん』
チェンマイ門の近くを毎週金曜日に歩くことにしている。
5月に体調を壊し、数週間寝込んでしまった。
その時急にバーンベーカリーというパン屋でおいしいサンドイッチが食べたくなり、ずっと寝込んでいた身体をむりに起こしたが歩く力がなくなっていた。
その時初めて気づいた。
バーンベーカリーでサンドイッチを食べるというささやかなことでも、健康でなければできない贅沢であるということ。
以来毎週金曜日に30分かけてバーンベーカリーに通い、おいしいサンドイッチを頬張るというささやかな贅沢を自分に課している。
ここでサンドイッチを食べられるということ自体、元気の証しなのだ。
当たり前にしていることが、実は病を得ている人にとってはうらやましいこともある。
こうしてチェンマイに暮らして8年目になるが、これも健康でなければできない贅沢な生活かもしれないと気づいた。
そんなことを考えながらチェンマイ門を歩いていると、変なおじさんに出会った。
少し小太りしたおじさんが椅子にすわっている。
何しているんだろう?
通りに笑いかけながら、目を細めてコーヒーを飲んでいる。
タイ人学生に聞いたら、タイ人にとって理想の体型はちょっと小太りしたこのおじさんのような人なのだそうだ。
こういう人を見ると安心するという。
優しくて、リッチで、家族おもいの働き者というイメージを形にすると、こういうおじさんになるのだそうだ。
日本人から見れば高血圧か糖尿病の「発病1分前」のような体型だが、タイ人の見方は違う。
見ただけでホッとするタイプが、このおじさんだそうだ。
そう言えば、街を歩くとこういうちょっと太めの人が多く目につく。
男の人だけでなく女の人も、このタイプが少なくない。
おじさんは今日も街の一角から道往く人に笑いかけている。
なるほど、この笑顔を見てイライラする人はまずいないだろう。
するとこのおじさんは『微笑みの国タイ』の典型かもしれない。
そう思いながらTES 近くの通りに戻ると、、、
いた、いた!!
「ニコニコおじさん」が真っ赤になって、大通りでも微笑んでいた。
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