授業の開始早々、カナダ人の先生は突然両手のこぶしを突き上げた。
眼が大きく、髪を剃っている先生の雄叫びの姿。
何事かと思って、学生たちは先生を見守る。
それはまるでゴリラのようだった。
先生; I am stronger than I look. (私は見かけより強い。)
これが今日の勉強である。
S + V + 比較級 than S + look .
この形にすれば「見かけより~である」という表現になる。
たとえば次のように。
That man is smarter than he looks .(あの人、見かけより頭がいいね。)
とすると、とっさに思い浮かぶ。
I am stronger than I look. (俺は見かけより強いんだ。)
先生はうなずく。
隣の女性がつぶやいている。
I am younger than I look. (私、見かけより若いのよ。)
先生は笑いながら、親指を立てるOKのサイン。
次の男性が続く。
My car is older than I look.
先生は物が主語ーit , they とボードに板書する。
その男の学生は言い換える。
My car is older than it looks .(私の車は見かけより古い。)
この言い方が定着したのを見て、先生はさらに表現の枠を広げる。
look= seem
つまり、この場合lookの代わりにseemを使ってもいいということだ。
早速使ってみる学生が出てくる。
The rabbits are slower than it seems .(ウサギは見かけよりおそい。)
上海デイズニニーランドに行ってきたばかりの人が発言する。
Disneyland was more interesting than it seems .(デイズニーランドは見かけよりおもしろかった。)
「見かけ」を英語でどう表現するかと聞かれると少し考えてしまうが、look seem を使うと,いとも簡単に
表現できるとわかる。
「ところで、あなた何歳?」
突然、隣の女性が聞いてくる。
「はい、42歳です。」
小さな声で答えると、すかさず大きな声で
You are younger than you seem!( あなたって、見かけより若いわねえ。)
参りました。