『授業その日その日』
今日は関係代名詞の授業だ。
初級英文法の中では最後の難関である。
生徒さんたちは学生時代に手こずった体験を多かれ少かれ持っている。
その嫌な記憶を払拭して、「関係代名詞ってこんなに簡単だったのか」という感想をもたせられたら、大成功だ。
朝10:30 いよいよ2人の生徒さんを前に授業が始まる。
「関係代名詞というのは、もともと2つの文だったものを、共通する語を使って1つの文にする働きをします。」
生徒さんの反応はフンフンという感じ。
学生時代に学んだ関係代名詞がチンプンカンプンに終わっているので、丁寧に分かりやすい説明を心がける。
関係代名詞は初級英文法の最後の最難関だが、これを①~⑤の手順にまとめた。
「この5つの手順に従って作業を進めれば、99%関係代名詞の文は書けます。 」
2人とも大きくうなずく。
いい反応だ。
手順を分かってもらいために、ボードの例題1を①から⑤の手順で一緒に解いてみる。
①は何ですか?
②は?
③は?
④は?
⑤はい、関係代名詞の文ができあがりです。
生徒さんはまだ納得していない。半信半疑だ。
例題2も一緒に解いてみる。
2人はだんだん身をのりだしてくる。
ボードに書かれた例題3も一緒に解いてみる。
生徒さんに「分かった」という表情が浮かぶ。
「ではこの①~⑤の手順を必ず守って、プリントの問題を一問ずつ解いて見せてください。」
2人は作業にとりかかる。
できました! と言って出された解答をみる。
間違っている。
変だな?
妙な英文になっている。
ノートの解き方をたどってみると、①から⑤の手順で解いてない。
どうして?
「面倒くさいから」
面倒くさい!?
2人のノートに一行ずつ番号をふっていくと、①②があって③がなく、④に飛んでいることが分かる。
ようやく本人も
「ああ、そこか!」
気づく。
2つの文を1つの文にする練習をした後、いよいよ英作文の口解きに入る。
ノートに書かずに、日本語の文を一気に口でいう練習だ。
最初はまごつき、サポートが必要だが、7,8 問進むと要領が分かってきて自分の力で口解きができるようになってくる。
(1) 英文法の勉強は英文法の知識を定着させるのが第1段階。
(2) 次は与えられた日本文ではなく、自分で考えた日本文で関係代名詞の文をノートに書いてみるのが第2段階。
(3) 最後に写真や絵を見て、その印象を即座に英語で表現するのが第3段階。
これが私の英文法の授業の目標である。
今日は第1目標の入口までは
達したと思う。
授業が終わって、生徒さんに感想を聞いてみる。
「ふだん使わない脳を使ったので、疲れました。でも気持ちのいい疲れ方です。」
そうなんです。
自分の力を伸ばそうとする勉強の疲れは、気分のいい脳の汗なんです。
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