ココの感想:
チェンマイで生活を始めて数か月がたった。
何も変わらないようでいて、私の中で何かが変わってきているのを感じる。
道を歩いていて、花や木や草が気になるようになった。
日本にいるときは、桜の花にも興味がなかったのに。
特にチェンマイの人たちは木々を大切にするようだ。
車や人の邪魔になっても、木々はむやみには切らない。
車や人が遠回りすればいいと思っているようだ。
そんな人間の優しさを知ってか、木々ものびのびと枝を張っている。まるで踊るように身をくねらせている木もある。
そんな人間の優しさを知ってか、木々ものびのびと枝を張っている。まるで踊るように身をくねらせている木もある。
水面に影を映し、うっとりとして自分の姿を見つめているような木もある。
でもその木々も近づいてみると、傷だらけだ。
無傷な木なんかありゃしない。
傷だらけになりながらも、それに耐え、静かに生きている。
そんなことに気づいた時、チェンマイの人たちが木々を大切にする気持ちに、ほんの少し触れることができたような気がした。
私が日本で悩んでいたことが、なぜか小さなことのように思えてきた。
木々のことをこんなふうに考えながら歩いていたら、チェンマイ市場のそばで、釣り糸を垂れている人を見つけた。
釣り竿は使わないで、糸だけを使って釣りをしていた。
その人のまわりだけが、まわりの騒々しさから切り離された木々のような静けさに包まれていた。
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