ココの感想: 新年会②
続いてボビーさんのお母さんが紙に中国語で書いてくれた。
初めて見る字なので困っていると、ボビーさんがその語の意味を書いてくれた。
タンピン
困難に対して何もしないまま待っていること
つまり、消極的だったという意味だ、と説明してくれた。
その意味はたぶん、激しく変化した去年のコロナ騒ぎに対し、消極的だったという反省をこめた字なのかもしれない。
次はブライスさんの番である。
しばらく首をひねっていたが、ブライスさんは細かい字で書いた。
oscillation
これも初めて見る字だ。
何だろう。
ブライスさん自身の説明を聞いても、ボビーさんの説明を聞いても、よく分からなかったので、英語辞書で調べてみた。
「極端から極端へと、考えや行動が揺れ動き続けること」
そう言えば、去年のコロナ騒ぎのとき、いろいろな極端な意見が出され、人々の心が激しい揺れ動いた。
それを言っているのだろうか。
それからブライスさんのお母さんがペンをとった。
Our mother river - Zhao phraya river
(母なる川、チャオプラヤ川)
うーん、これも意味が深そう。
コロナウィルスの感染の広がりの中で、人々は右往左往したが、タイを流れるチャオプラヤ川はいつもと変わらず、悠然と流れていた。
この川のようでありたい、というお母さんの気持ちが感じられた。
最後にブライスさんのお父さんが筆ペンで、鮮やかな字をしたためた。
そして字の横に、陰と陽の絡み合った太極図を描いた。
ターキ、と読むのだろうか。
「これまでこの字の意味がどうしても分からなかったが、最近ようやく分かった。
この字は、容器の中でいろんな要素が誕生し、ぶつかり合い対立しながら成長し、ついに容器からあふれ出る寸前になった状態を指している。」
お父さんはその字の横に、陰と陽が絡みあった太極図を描いた。
去年1年に起きた出来事は、それまで潜在していた要素が目醒め、対立しながら成長し、ついに容器の縁からあふれ出ようとしている状態を示している。
この意味から考えると、コロナウィルスは終わったわけではなく、
これから始まる危機の第一段階に過ぎない、という意味もお父さんの暗示から考えられる。
みんな反省をふくめて、それぞれ1語に托して感想を語ってくれた。
感謝の気持ちをこめて、頭を下げた。
その時、ブライスさんのお父さんが、「あなたの答は?」と聞かれた。
私の答?
しまった!
今の今まで全然考えていなかった。
どうしよう?
困った。
私にとって、去年出会った一番好きな言葉は何だろう。
あせりにあせって、宙を見つめているうちに、「そうだ、これだ」という言葉に思い当たった。
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