『ランチタイム』
露店の料理のおいしさに目覚めると、ほかにも安くておいしい料理があるはずだ、と昼飯時にあたりを物色し始める。でもなかなか自分の舌を満たしてくれるだけの味には出会わない。
そんな中で見つけたのが、この露店。
おねえさんが毎日、この笑顔で迎えてくれる。
お母さんと交代で店に立つ。
にこやかに笑いながら、ちょっと辛いおかずと、スプーンをパックに詰め、「はい出来上がり。」
横には見習いのお兄さんが、おねえさんの手さばきをジッと見つめる。
卵がご飯の上にのって、色を添える。
このふつうのタイ米に加えるて、さらにカオパット(もち米) を1袋追加する。
合わせて30B (100円) の昼食が出来上がり。
「名前はなんていうの?」
お姉さんは自分の名前を聞かれたと思ったのか
「エー」
と答える。
エーさんか。
いやいや、そうではなく、このお弁当の名前。
「パックパーオ」
と聞こえた。
間違っているかもしれない。
とりあえず昼食を確保して、ルンルン気分で家路につく。
というのも、このランチは最近人気が出てきて、10,時過ぎると売れ切れになる日もある。
売れ切れと聞いてがっかりしていると、エーさんはいつもの笑顔で慰めてくれる。
「明日ね。」
気を取り直して、エーさんに笑い返す。
終わり
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